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どこでも ゆる自然農とは

“どこでも ゆる自然農”は自宅の庭でも自然農ってできるのか? との単純な思いつきからスタートしたプロジェクトです。

「自然農」をやってみたいけど近くにいい土地がない、田舎に通うのは大変だ・・・といったことが自然農に踏み出す障壁になっているのなら、身近な場所でもプランターでも、どこでも自然農はできる! ことを証明してみたいなぁと思ったのです。

「人工的な庭でやるのなら、それはもう自然農ではないよ、ましてやプランターでなんて・・・」という声が聞こえてきそうですが、化学肥料や農薬が一度も蒔かれたことのない農地はあるんだろうか? もっといえば、化学的につくりだされた放射能が大気に放出されている地球上に、イマドキ本当に自然な土地なんてないんじゃないか? とも思ってしまいます。あまり原理主義的にならず、ともかくやってみようじゃないかとはじめてみることにしましたが、そうは言っても思いっきり人工的な不自然な庭で展開していくいい加減さと、常識にとらわれずマジテキトーにすすめていきたいとの思いを込めて、“ゆる自然農”と名づけたのです。なにがあっても、「あくまでもゆるなんで・・・」と言い訳できますしね。


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自然農に定義はない

で、「自然農」とは一体なんでしょうか。

尊敬する自然農実践家の川口由一さんの教えによれば、自然農とは自然界に存在する“いのち”が自ずから然らしむる“いのちの営み”に添う農のあり方を言います。自然の理に従いまかせることを基本として、人が生きていくための食料を確保するために、最小限に手を貸す栽培方法だと理解しています。
ここでいのちとはなにか? という難解なギモンも生じてくるのですが、いのちとは有機物であるといった具体的なこたえが必要なのではなく、いのちはどこからきてどのように育まれるものなのか、もっと言うなら、いのちとはなにか? について考え、向き合う時間を与えてくれる農のことを自然農と呼ぶのかもしれません。

ちなみに、川口さんは、自ら実践されている栽培方法を「川口農法」と名乗ってはいません。それは「自然農を形式化すると、携わる人が知恵を働かせないようになる」との危惧をお持ちだからです。スタイルを極めた方はとかく自分の名前をつけたがるものですが、川口さんが驕りのない謙虚な方だというだけではなく、自然農に決まった型はなく、それぞれの土地にあった農を実践するなかで、知恵を発揮し学びを得ることが自然農の目的であり楽しさでもあり、醍醐味だということを伝えておられるのでしょう。

繰り返しになりますが、自然農とは、農を通して「自然とはなにか」「いのちとはなにか」を考え学ぶ、概念なのです。

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家の庭に里山を!

川口さんが実践されている自然農の重要なポイントは、完全に自然にまかせるのではなく、「自然に人がかかわる」ことによって、自然も人も豊かになれるという里山的思想があるところだと思います。人は本来自然の一部のはずですが、人間はあたかも自然の外側にいて、自然を所有し、支配し、管理するようになってしまいました。人間の愚かな行為によって自然は破壊され、あらゆる生物の存続が危機に瀕し、大きな災害を招き、人間の生活の場も失われつつあります。

福岡正信さんや川口さんのことをいつ知ったのか、これがまったく記憶にないのですが、この生きづらい環境のなかで自然とその気づきは得られたのでしょう。このたび、この“どこでも ゆる自然農”をご指導いただけることになった村山直通さんとの出会いは、村山さんや自然農実践家の有志の方たちが糸島で運営されている「福岡自然農塾」に参加したからでした。はじめてこの自然農の畑に立ったとき、あらゆるストレスから解放された清々しい感覚が得られたこと、そして、畑に実った茄子が宝石のように輝いていた光景をいまも鮮明に覚えています。

村山さんは言います。「もし人の口に入らなくって、虫や鳥たちばかりに食べられたとしても、大した問題ではないですよ。この土地にいのちが宿り、豊かになっていくのを楽しむんですから」と。

家の庭にミミズや虫が増えるとヤダーなんて言う人もいるかもしれませんが、野草が生い茂り、コオロギや野鳥が遊びにきてくれる里山的住居なんて、素敵じゃないですか。

例え人工的につくられた住居環境であっても、人が自然農を実践することで、自ずと然らしむる“いのちの営み”が再生され、本来の美しい豊かな自然を取り戻していくプロセスを生活の場で目の当たりにすることができれば、ストレス過多のわたしたちに癒しを与えてくれるだけでなく、人間が自然に沿って生きていくための大きな学びを得ることができるはずです。

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「パンは小麦からつくるのがオシャレー」なライフスタイルを

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庭が豊かになっていくプロセスを見ることも大切ですが、やはりおいしいものを食べたい! ですよね。作物が実り、収穫できればそれでいいというわけではありませんが、まずはなんらかの作物が獲れて口にすることができればとりあえずの目標は達成! としたいと思います。さらに、米、小麦、蕎麦などの穀類を自宅で栽培して、「おにぎりは米からつくる」、「パンは小麦からつくる」といったライフスタイルをみなさんに提案できればサイコーなのですが。

その先にあるより大きな目標は、スーパーで安価な遺伝子組み換え食品を買って食べたり、交配(F1)種を化学肥料のごっそり入った土で育てたりしなくても、暮らしのなかで在来の作物を育て、実りに感謝しながらそれを有難くいただくこと、在来種を採取して次世代に受け継いでいくことの大切さを伝えていくことにあります。

どこでも安心安全な食べ物が育てられれば、お金がなくても生きていける知恵と自信が身につくのです。美味しい食べ物ときれいな水と空気があれば、なんとかなるんですから!

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“ゆる 自然農”実践の原則

先に、自然農に厳密な定義はないと言いましたが、自然農を実践していく上での基本原則として「耕さない」、「農薬や肥料を用いない」、「草や虫を敵にしない」の3つを川口さんは掲げておられます。“ゆる自然農”もこれに習い、村山さんのご指導のもと、ゆるやかに、スローに、わいわいと一喜一憂しながら、さっそくすすめていくことにしましょう。