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徳永進さんより、
『常世の舟を漕ぎて 熟成版』へのメッセージ
徳永進(野の花診療所 院長)
『苦海浄土』がめしべ(女本)なら、この本はおしべ(男本)。 すさまじい語りを残した緒方、辻は聞き書き著作、語り著作の中に金字塔を残されたと思います。 潮の匂いも読者に届けています。 よい人格を水俣はいつのまにか育てていた、と知ります。 何が善で何が悪か、言葉とはなんぞ、地球は何ぞ、魂は星か風か海水か空気か雲か。 緒方氏の壊れて熟した言語感は「イシ」に通じていくのを覚えます。 中村さんの解説がまた全体の捉え方を導いてくれています。 素敬の大仕事の一つになりました。
2020年05月07日